ビールはどうやって造られるのか?
麦の発芽、マッシング、発酵など複雑な工程を経てビールが完成!
ビールが完成するまでの工程は以下の通りである。
1.製麦
まず、大麦を水に浸して発芽させる(浸麦)。
発芽することにより、後に「糖化」を行うために必要な酵素が生成される。発芽した麦を乾燥・焙煎することで、成長を止めると同時に色・香ばしさを加え、麦芽となる。
この乾燥・焙煎・の程度によりカラメルモルト、チョコレートモルトなど呼称が変わる。
そして、根を外した麦芽をミルで粉砕する。
2.仕込み
粉砕した麦芽に水、副原料などを加えて加熱(マッシング)することで、酵素がデンプンを糖に変換する(糖化)。
糖化に最適な67℃前後で一定時間保つことにより、甘い麦芽のお粥が完成する。
その後76℃前後に上げて酵素の働きを止め、ろ過をする。
ろ過した麦汁を煮沸釜に移し、段階的にホップを投入して苦みと香味を加えて冷却する。
3.発酵
仕込みで造られた麦汁、つまり糖分を含んだ麦のジュースに酵母を投入する。
エールは15~25℃で3~5日、ラガーは5~10℃で1週間程度保つ。これを一次発酵という。温度が高く発酵を進めやすいエールは期間が比較的短い。
発酵により糖分がアルコールと二酸化炭素(炭酸ガス)に変化する。
4.貯酒
1次発酵で得られた液体は「若いビール」と呼ばれ、味わいは粗く、好ましくない香味成分が存在する。
これを貯蔵タンクに移し、エールは数日程度、ラガーは1ヵ月程度熟成させる。この段階が2次発酵と呼ばれるものである。この2次発酵もエールは数日程度に対してラガーは1ヵ月程度と、発酵のすすめやすさの違いが出ている。
この2次発酵により不要な香りも揮発し、ようやくビールが完成する。
5.パッケージング
製法により、多くはろ過、もしくは熱処理して酵母の働きを止めた後に、樽・瓶・缶などに詰める。酸化によるビールの劣化を防ぐために、酵素とビールの接触を最小限にして詰め、密閉・ラべリング・賞味期限の印字などをした後に出荷される。
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